機械の修理の仕事と具体例!【モーター回らない】編!

作業コツ

こんにちは技術者けんです。今回は私の修理の経験から【モーターが回りません!】という現象についての対応方法を解説していきたいと思います。

私は現役で保守保全として食品会社で工場の設備を修理する仕事をしています。実際の経験を活かしながら分かりやすく解説していきます。

今回この記事を読んでいただけると、どのように機械の修理を進めていけば良いか流れが分かってきます。また、新しい知識が増えるかもしれません。是非お付き合いください!

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【モーターが回らない】とは?

・実際の機械の例
今回モーターが回らないという仮定の話として以下のような機器の接続で考えていきたいと思います。

ブレーカー、マグネットスイッチ、モーター


まず、3相200Vの電源があり、次にブレーカーマグネットスイッチモーターの順に接続してある例で話を進めていきたいと思います。

モーターは3相200Vのシンプルなモーターとします。

【モーターが回らない】に対応する手順

字が小さいので画像を保存しておいて拡大して見ると便利です。※個人で保存する分には全く問題ありませんが転載等は禁止されています。

モーターが発熱している場合

まずモーターが回らないという現象なのでモーターを触ってみましょう。モーターの取り付けが遠い場所や、モーターにカバーがされている場合は少し面倒くさいですが、まずは触ってみると良いです。

モーターが触れないほど熱い場合などには負荷があることが考えられます。

負荷がありモーターが回らない場合には、負荷の原因を探し負荷を取り除く必要があります

モーターと駆動軸などは一般的にカップリングやチェーンとスプロケット、プーリーとタイミングベルトなどで接続されています。

ここまで確認した時点でチェーンが切れているやタイミングベルトの山がすり減っているとか一目で分かる原因などには気付くことが出来ます

見た目では問題無さそうな場合、このままでは分かりにくいためセクションごとに区切って考える必要があります。

まずはモーター単体で回るのかどうか、次に駆動軸より先に負荷があるのか確認していきます。

モーター単体で確認

モーター単体で動きが重そうであったり、回らなかったりする場合にはモーターが故障の可能性があります。モーターを交換しましょう。

ちなみにモーターの内部の軸にもベアリングが2個入っており、モーター内部のベアリングが不良の場合には、モーターを分解してベアリング交換が可能な場合もあります。同型式のモーターの在庫がない場合にまれに分解して整備することもあります。

モーター以降を確認

次にモーター単体では特に負荷もなく問題なかった場合にはモーターより先の話になります。

例えば軸のベアリングが劣化しロックしている場合などが考えられます。ベアリング交換を実施する必要がありそうです。

また単純に回転部に何か噛み込んでいるとか挟まれている場合もあります。引っ掛かりを除去するだけで復帰できることもあります。

マグネットスイッチがONしている場合

次にモーターが大丈夫だった場合マグネットスイッチを確認していきます。

ここからは電気的な思考が必要になってきますが、電気が苦手な方もビビる必要はありません。少しずつロジカルな思考力を身につけていきましょう。会社によってはモーターから上流は機械保全ではなく電気保全の担当者に代わることもあるようです。

マグネットスイッチがONしているが回らない場合にはモーターまでのケーブルが断線していることなどが考えられます。モーターの端子台ケーブルを確認しましょう。端子台のないモーターではモーターごと交換が必要な場合があります。モーターに3相とも200Vかかっているものの回らない場合にはやはりモーター不良が疑われます。

マグネットスイッチがOFFの場合

マグネットスイッチがOFFの場合にはモーターまで電気が流れないためモーターが回ることはないでしょう。何故ONしないのか確認していく必要があります。

サーマルやブレーカーを確認

よくあるパターンとしてはサーマルリレーの付いた電磁開閉器を用いていて、サーマルが飛んでいることがあります。モーターに負担がかかることによって電流値が上がり、サーマルが飛びます。

サーマルを投入することでトリップは解除出来ます。ただしモーターへの負荷が大きい場合には再度サーマルが飛ぶ可能性があります。モーターの負荷を確認しておきましょう。

マグネットスイッチのコイルに電圧がかかっているか確認する

また、マグネットスイッチがONしない時にはコイルに電圧がかかっているか確認しましょう。

コイルに電圧がかかっているもののマグネットスイッチがONしない場合にはマグネットスイッチが不良の場合があります。マグネットスイッチを交換しましょう。

次にコイルにも電圧がかかっていない場合にはモーターがONする条件が整っていないことが考えられます。リレーやシーケンサーの入出力を確認しましょう。

サラッと言いましたが条件を確認するのは大変です。普段から設備を良く見ておく必要があり、普段と違うところを感じ取れるようになりましょう。例えば安全カバーが入っていなければモーターが回らなかったり、製品を見ているセンサーがONしないとモーターが回らない仕組みになっていることもあります。長い戦いになりますが、一つ一つ確認していきましょう。

修理にかかる時間の目安

  1. 現場まで到着  〜10分
  2. 原因追求     5分〜
  3. マグネットスイッチの交換 15分
  4. モーターの交換  15分〜
  5. 試運転・動作確認 5分〜

上記すべてを合わせると50分ですね。ただ、もちろん状況により全然異なってきます

マグネットスイッチを替えて直ったり、マグネットスイッチの交換の必要はなかったり、サーマルが飛んでるだけならポチッと押せばすぐに復帰出来ることもあります。

モーターの交換自体も、交換にかかる時間に大きな幅があります。モーターの取り付けの外しやすさであったり、プーリーやスプロケット、カップリングの組み替えのしやすさなどによって大きく時間が左右されます。

ケガの防止のためにも焦らずに修理しましょう

実際に多いパターン

よくあるパターンとして多い2通りを紹介します。コンベアが動きませんであったり、攪拌機が回りませんなど症状としては様々なことがありますが、結局モーターが回らないことに尽きるのでこの2通りは覚えておきましょう。

過負荷(過電流)

やっぱり過負荷は多いです。モーターが回らない現象のうちかなりの割合を占めています

ベアリング不良であったり、チェーンやベルトの伝達部で引っ掛かりがあったり、製品が詰まってしまっていたり…
その原因は様々ですが結果として過負荷になることが多いです。日頃からモーターに負荷をかけないよう点検出来ればベストですね。

動作条件が不適合

モーターが回らないというときに過負荷と同じかそれ以上に多い原因が、動く条件が整っていないパターンです。

身近なところで例えると電子レンジの温め中にドアを開けると止まりますよね?(最近の電子レンジはターンテーブルがありませんが…)工場などでも機械が動かないという時に安全カバーが閉まっていなかったりすることがあります。機械が動ける条件が整っていない時にはもちろんモーターも回りません

同様にコンベアや攪拌機などにて製品をセンサーで検知している際にセンサーの誤検知により、動く条件が整っていないこともあります。

設備により様々ですがモーターが動く条件が整っていないパターンも非常に多いです。

まとめ

モーターが回らない原因がいくつもあることが分かりましたね。読み切っていただいたあなたの引き出しは増えたでしょうか?

機械修理の初心者の方は実際の機械を目の前にすると何から手をつけて良いか分からなくなることがあります。焦らずに自分の引き出しを一つ一つ開けて確認していきましょう。

ロジカルな思考力で順々に考えて、機械の修理を進めていきましょう!

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