漏電の検査方法!

作業コツ
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みなさんこんにちは!今回は漏電した時の対応を考えてみましょう。悪そうなところを切り離して探していくのが定石です!

漏電とは

電気が正規のルートを通らずにアースに流れてしまうことを言います。正規のルートを流れないと言うことは本来電気が流れる場所ではない所を電気が流れることです。本来流れない場所を電気が流れるので人が感電したり、火災が起こる可能性があります。

漏電したら切り離して考える

さっそくですが漏電箇所の特定の仕方と流れについて考えてみましょう!

漏電はどこで起こっているか分かりにくいです。明らかに水没している箇所等があれば分かりやすいですが、目で見て分からないことも多いです。

どのように漏電に取り組んでいけば良いか順番に考えていきましょう。

まず対応方法としては2つあります。一つ目は【自分の嗅覚を信じる】です。二つ目は【手順を追って調べていく】です。

自分の嗅覚を信じる

一つ目の嗅覚を信じる方から説明します。

自分の嗅覚を信じる!とはカッコよく言いすぎました…詳しく言うと自分のこれまでの手順を追って調べた経験怪しげなところを見つけるセンス、その日のその場所の雰囲気などから原因となりそうな箇所を見つけることです。

経験から探すというのは自分の過去のトラブル対応先人達の過去談から、よく漏電しやすい箇所や、漏電しやすい電気部品を知っておくことが重要です。

ただし経験が原因特定の邪魔をすることもあるのは知っておくべきです。経験が頭の中で邪魔をしてスッキリしたフラットな状態で考えることが出来ないこともあります。「よく漏電するからこの部品替えてみよう」という経験で修理をすると原因箇所が違っていた場合、部品代と作業時間を無駄にしてさらに焦りが生まれてきます。

そうならないためにも経験は経験で持っておいてフラットな頭で取り組みたいところです。

怪しげなところを見つけるセンスも重要だと思います。センスは生まれ持ったものではなくて磨いていくものなので徐々に磨いていけば大丈夫です!

以前の私にあったトラブルで、ある設備が時々漏電することがありました。その設備は操作盤の扉には電源スイッチランプしかなく、盤内にタッチパネルが入っています。よく制御盤の扉を開け閉めするのですが、どこを測定しても漏電しそうな気配がありません。結論は盤の扉のノブを閉めた時に扉の内側のノブがケーブルと擦れてわずかに被覆が剥けて漏電していました。この場合では何度測定しても分かるはずがありません、測定してる時は盤の扉を開けているからです。このような測定しても分からない時には想像力を働かせて機転を効かせるセンスが必要な場合もあります。センスを磨く意識を持っていればどんどんセンスは良くなっていきます

またセンスに近い話で申し訳ないのですが、その場その場の雰囲気を感じとることも大事です。

とある設備で漏電が発生し、これまで汚れていた設備が綺麗になっていたら誰かが設備の洗浄をしてどこかに水が入った可能性があったりします。

また普段乾いている床が湿っていたら盤内で結露している可能性もあります。電源がコネクタ式であれば内部が湿っているかもしれません。防水コネクタであっても油断は禁物、内部に水が溜まっていることもあります。

手順を追って調べる方法

二つ目の手順の追って調べていく方法について説明致します。

テスターの使い方についてはコチラ↓

①1次側から、上流側から調べる

設備は沢山の電気部品で構成されています。上流側から漏電ブレーカー、マグネットコンダクター、パワーサプライ、PLC、リレー、インバーター、サーボアンプ、モーター…などなど。沢山の機器の中から絶縁不良の漏電箇所を探すのは難しいです!なので上流側から確認していきましょう。

②切り離して考える

沢山の電気部品が連なったまま確認していても測定したところと別のところが絶縁不良のことがあります。分かりにくくなるので、切り離して一つ一つ確認することでどこが悪いのか探りましょう。

まず、漏電ブレーカーの2次側を切り離して電源を入れます。そこでブレーカーがトリップすればブレーカーが絶縁不良でしょう。次にブレーカーの2次側の配線を1種類ずつ繋いで電源を入れてみます。マグネットコンダクター側かパワーサプライ側か判断出来ると思います。パワーサプライとマグネットコンダクターが大丈夫の場合、モーター等が疑われます。インバーターやサーボアンプそしてモーター等を切り離して順番に確認してみましょう。

分かりにくい漏電

漏電はいくつかの機器が少しずつ漏電していてもブレーカーが作動します。

例えば漏電ブレーカーが作動する電流値は決まっていますが、30mAで作動するブレーカーで考えてみましょう。モーターが2つありそれぞれ絶縁が少し良くないとして、それぞれのモーターで20mA漏電していたとします。この場合モーターが1つ回っただけでは漏電ブレーカーは作動しません。2つ目のモーターが回った時に合計で40mAの漏電となり漏電ブレーカーの30mAの値を超えるので漏電ブレーカーが作動します。

上記のように漏電電流の合計値でブレーカーが作動することも知っておきましょう。

漏電を放っておくと…?

漏電しているもののブレーカーが作動しないでいる状態などを放置しておくと良いことは何もありません。火災の危険や、感電の危険があります。また場合によりけりですが電気代の無駄にもなります。こまめにチェックして漏電電流が発生しないように心がけたいですね!

漏電しやすい箇所と漏電対策

漏電は電気がどこかに漏れることですが多くの場合水分が関係しています。防水コネクタの中に水が入ったり、中継BOX内に浸水があったり、制御盤内の結露など、電気が通りそうなところにはカバーを設置したり水に濡れない対策をしたいですね。盤内であればヒーターやファンで湿度を下げたり結露防止の対策なども有効です。

まとめ

漏電は分かりにくいし、危険もあるので出来れば漏電する前に対策を講じておきたいですね。漏電が発生した時は焦らずに漏電箇所の特定を行いましょう。くれぐれも感電しないように注意が必要です!

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