こんにちは技術者けんです。天気予報などで1時間に50mmの大雨が予想されるでしょう…なんて聞いたことありますよね?
なんで〇〇mmなんでしょう?私たちの周りの液体は大体リットル表示です。500mℓのペットボトル、お風呂のお湯は約40ℓ…他にもたくさんありますが雨だけはmm(ミリメートル)表示です。
雨がmm表示される秘密に迫っていきましょう。
mmのイメージ
mmはミリメートルですね。1mが1000mmです。メートルは基本的に距離・長さ・高さなどを表す単位です。
例えば私の身長は174cm(センチメートル)です。1mは100cmですね。
誰も身長なんて聞いてないか…
ミリ表示されるワケ
さてナゼ雨がmmで表されるのか考えてみましょう。
まず1トン(=1000ℓ)の水は1㎥(立方メートル)となります。
1㎥は1000mm×1000mm×1000mmの立方体です。
つまり1m×1mの範囲(=1㎡平方メートル)に降る雨の量がどれくらい溜まったかを、水が溜まった高さ=ミリメートルで表しています。
例えば200ℓの雨が降った場合には1m×1mの範囲で溜まった水は200mmの高さになります。
これが降水量がmm表示される理由です。
別の捉え方をすると天気予報などで1時間に200mmの大雨というと、1㎡に200リットルの雨が降ることと同じです。
例えですよ!1時間に200mmなんて雨は超記録的な豪雨になってしまいます。
ただしこの数値はコップに飲み物を注ぐのと一緒で降った雨を全て溜めた高さになります。実際には雨が排水溝に流れたり、山や木々にしみ込んだりして見た目にはmm表示ほどは溜まりません。しかし降った雨は流れて、流れ着く先では洪水などの危険があります。
気象庁の観測方法
さてここまでの話で雨がナゼmmで表示されるか分かりましたよね。せっかくなのでどのように雨が測量されているか見てみましょう。
転倒ます型雨量計
気象庁では専用の機器を用いて雨量を計測しています。雨を受ける口が20cmの機器を使用して、雨が0.5mm降るごとに電気信号を出力する仕組みです。
0.5mmの雨が降るごとに左右に傾くシーソーがあり、シーソーが動くごとに0.5mmの雨が降ったことを知らせる電気信号が出る仕組みです。この仕組みのことを「転倒ます型雨量計」と呼びます。
1時間に100mmの雨の場合、1時間に200回シーソーが動きます。
貯水型雨量計
こちらは世界各地で用いられている方法です。日本でも使用しています。
貯水型は単純に溜まった雨の高さを測る方法です。
日本では口径20cmのじょうごの下に瓶を置いて雨水を回収します。回収した雨水を高さが分かるメスシリンダーに注いでその高さを読み取ります。一番シンプルな方法ですが、溜まった水を回収して測る手間がかかります。
1時間に〇〇mmの雨
さて、ここまで例えとして1時間に200mmの雨と言ったりしましたが、実際の感覚的にはどうでしょうか?雨の予報の参考までに以下をご覧ください。
- 1時間に1mm未満の雨
小雨程度、短距離であれば傘無しでも耐えられる程度。
- 1時間に1〜5mm未満の雨
いわゆる雨。傘が必要、折りたたみ傘でも耐えられる。
- 1時間に5〜10mm未満の雨
強めの雨。雨音がよく聞こえ、道路には水たまりが出来る。
- 1時間に10〜20mm未満の雨 やや強い雨
木造住宅では会話がままならない程度の雨。長引けば河川の氾濫などの危険がある。
- 1時間に20〜30mm未満の雨 強い雨
いわゆる土砂降り。小さな川の氾濫や土砂崩れの危険が高まる。
- 1時間に30〜50mm未満の雨 激しい雨
バケツをひっくり返したような雨。避難を検討し、危険な地域では避難を開始する。道路は川のようになるため危険が増す。
- 1時間に50〜80未満の雨 非常に激しい雨
視界が悪くなるほどの雨。地下街などへの水の侵入があり、排水が追いつかなることがある。山間部では土石流の危険性がある。
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大雨の記録
ここまで話したことを踏まえて、日本の1時間に降った雨の最高記録を見てみましょう。
最高記録は1時間に153mmです。1999年10月の千葉県と1982年7月の長崎県がともに日本記録となっています。(国土交通省、気象庁ホームページより)
153mmの雨は一体どれくらいでしょう…先ほどの転倒ます型雨量計が1時間に306回動いたことになります。1時間に80mm以上の雨で「猛烈な雨」と天気予報で言われますが、それが153mmだと想像も付きませんね。
ちなみに世界の1分間の最高記録として38mmという記録があります。1分間に38ℓの雨…ほぼお風呂の浴槽が1分で溜まると考えると凄まじいですね。
そんなんただの滝じゃん!
まとめ
雨がナゼmm表示されて、天気予報などで〇〇mmの雨と呼ばれるか理解出来たと思います。雨の計測方法も分かり、これからは少しだけ天気予報を見る目が変わりますね。
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