アイデアひとつ!工場のコスト削減の方法と具体例!

工場トピック
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みなさんこんにちは技術者けんです。工場で生産技術の仕事をしています。生産技術の仕事をしていて工場の運用面にも首を突っ込むと絶対に避けては通れないコストダウンという課題があります。そこで今回は製造業の工場におけるコストダウンの方法や事例をお伝えしてみたいと思います!

ともさん
ともさん

コストダウンってなんですか?

コストダウンは読んで字の如く、無駄な経費や支出を減らすことを言います。コストカットやコスト削減など呼び方は会社により違いがありますが、目的は同じです。

製品を作り、売り上げが全て会社の利益になる訳ではありません。そこには製品の輸送費や労務費、資材費や設備のメンテナンス費など様々なお金がかかります。偉い人達が他社の偉い人を接待する費用や交際費などもあるでしょう。そのようなお金を全てまとめて経費と呼びます。

コストダウンとは経費を少なくして会社の利益を増やすために行います

コストダウンはマイナスなイメージで語られることが多く消極的になりがちですが、悪い面ばかりという訳ではありません。何故なら値段や費用として数値で表示されるため、効果があるかどうか分かりやすい仕事です。「これだけ費用が削減出来ました!」というとサラリーマンとしては評価されやすくなるという一面もあります。

ともさん
ともさん

なんとなくコストダウンについて分かったような気になりました!でも結局コストダウンって何をするんでしょうか?

けんさん
けんさん

コストダウンと言っても様々なことが出来ます!それでは具体例で考えてみましょう。

資材の使用量

製造業にて製品を作り出荷していくのが工場です。その中で製品をそのまま発送することは出来ませんので包装材や段ボールに入れて出荷していきます。その包装材や段ボールにもコストがかかっているためコストダウンの余地があります。

包装フィルム

例えば包装フィルムで考えてみましょう。ポテトチップなどをイメージしてみて下さい。袋は薄く感じると思います。包装材の厚みによって使用する原料の量も変わってくるためなるべく薄い方がコストは安くなります。コンビニのおにぎりなども同様に薄いですよね。輸送中や販売中に破れないギリギリの厚みで使用されているのを感じられると思います。中の製品に影響がないギリギリの包装材を使用することで包装材にかかるコストの削減が期待出来ます

また一般的に知られていませんが包装材に使用される色の種類でも僅かながらコストが変わってきます。ディスカウントストアで売られている日用品などでは白と黒しか使用していないシンプルな柄のものが発見出来たりします。元々透明なフィルムに色を付けて包装材を作成するため白黒で2色で済みます。その分インク代などが安く済むため包装材メーカーと商談して安くしてもらうことも可能です。

段ボール

話は変わって段ボールでもコストダウンは可能です。例えば段ボールにも種類があるため軽い製品を扱う場合は強度がない段ボールでも使用可能でしょう。段ボールも強度を上げようとすると紙の使用量が増えるため高くなります。

また別のアプローチとして段ボールに入れる製品を増やすだけでもコストダウンになります。例えば段ボールに製品が10個入りで出荷していた場合に、実はまだ製品があと2個入るスペースがあれば12個入りで出荷するだけで十分なコストダウンに繋がります。

段ボール1枚数十円としても大量に使用するとコストダウンになります。営業や製品を購入していただいているお客様との相談や商談が必要ですがそのようなコストダウンの方法もあります。

ユーティリティー費用

製品を作る工場ではユーティリティー費用の削減もコストダウンで取り上げられることが多いです。

ともさん
ともさん

ユーティリティー費用ってナニそれおいしいの?

ユーティリティー費用って一体何?というと家庭内で使っている電気ガス水道などの光熱費の事を指します。

工場では光熱費よりカッコよくユーティリティー費用と呼びます。工場では家庭と違い、電気ガス水道の他に窒素ガスやアルゴンガスなど工場によって様々なものが含まれます。

ユーティリティー費用の削減は後述する仕組み作りが大事です。その前に家庭の節約と似ている部分もあります。節約という面から考えると、使用していない機械の電源を切ること、休憩時間中は冷却水を止めるなど、チリも積もれば山となる理論で節約することが1番簡単に出来るコストダウンになります。

仕組み作りはどのようなこと?というと、節約を自動化することで人間が頑張らなくてもコストがかからない状態を作ることを仕組み作りと考えます。

エアーの使用量削減の仕組み作り

例えばエアーコンプレッサーが3台それぞれ3本の配管に繋がっていたとします。その場合電気代節約のため1台止めると全くエアーが供給されない経路が出来ます。

そこでバッファータンクを用意して3台のエアーコンプレッサーを大きなバッファータンクに接続して一括化します。3台のエアーコンプレッサー→バッファータンク→3本の配管という流れに変更すると、エアーの使用量が少ない時期や時間帯は1台止めても他の2台で3本の配管をまかなえる事になります。それをエアーの圧力計と流量計で制御して自動で1台もしくは2台止めるような仕組みを作れば人が頑張って節約しなくとも自動で電気代を抑えるコストダウンの仕組みが出来上がります。

水道代削減のための仕組み作り

他には水道代のコストダウンも可能です。初期費用がある程度かかりますが、回収出来る案件だと思います。

様々な機械で冷却水を使用しますが、冷却水を水道で使用してそのまま排水するというのは正直もったいないところです。

そこで1度冷却水として使用した水をポンプで循環させ、クーリングタワーを設置して再度熱を取りある程度冷やすことで再び冷却水として使用します。それらの施策で水道代のコストダウンが可能です。ただしクーリングタワーの設置や循環の経路の設置工事など初期費用は大きくかかってしまいます。またそれらを動作させるために電気代は多少のコストアップになってしまいます。

そのため水道代が高い地域や冷却水を多く使用する工場では冷却水の循環によるコストダウンが見込めます。考慮すべき点として電気代のコストアップ、それらの保全の必要増初期投資、全て考慮した上で冷却水を循環させるかどうか決定する必要があります。

労務費

工場・会社・企業では労務費(人件費)がかなりの割合で支出を占めています。そこでコストダウンの話が出ると必ず労務費まで話が及びます。労務費の削減には2通りあって、1つは残業の削減ともう1つは省人化を進めることになります。

残業を減らすというのは仕事を残して帰るという意味ではありません。出来る限りの効率化をして時間内に仕事が終わるように業務の改善を行うことが必要です。

また、品質や技術系の残業を減らそうとすると業務の改善が進まなくなる可能性があるため、まずは生産ラインの効率化を図りライン作業者の労働時間の短縮を実施する必要があります。

省人化も上記のように生産ラインの作業者を減らすことを意識して取り組むことが重要です。例えば各ラインの作業の負担を減らして全員が余裕が出来てきたと感じたら作業の内容を再び分担して1名作業者を減らす等の方法があります。

ただし省人化も品質や技術系などに波及させると各々がかかえている業務の他に改善活動が進まずに逆に忙しくなってしまう可能性があります。改善を行う部署や課ではある程度の余裕を持った人数を確保しておくことで今後の改善がスムーズに実施されます。

またそのようなスタッフは教育にも時間がかかるためライン作業者よりも多く人数がいても良いと思っています。そのようにあまりに強力に省人を進めると会社の将来性が無くなっていくので注意が必要です。

まとめ

今回は会社の利益を上げるために必要なコストダウンについての話をしてきました。具体例の一例を挙げて話してみましたが、コレはいいなぁという事例があれば皆さんの会社でも提案してみることをお勧めします。節約も大事ですが、仕組み作りがなによりも重要です。また今回の内容以外にもコストダウンは様々な方法がありますのでアイデアを出して実行出来るようにこれからも頑張りましょう。

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