こんにちは技術者けんです。今回は工場やプラントでのケーブルの断線についての話をしていきたいと思います。
ケーブルの断線があるともちろん電気が通りませんので困ります。
それでは断線とはなんなのか?どうやって調べるか確認していきましょう。
断線とは?
断線とはその名の通り線が切れている事を表す言葉です。
じゃあ線って何っていうと、延長ケーブルや、信号線など、電気を通すものを表しています。
実際の断線の状況を考えてみましょう。
ケーブルが実際に切れている
もう見た目で分かる断線ですね。目で見えるところにケーブルがあり、目視で判断出来る1番分かりやすい断線です。
断線箇所を見つけても電気が来ている可能性もありますので不用意に触らないようにしましょう。100Vの延長ケーブルが断線していて不用意に触ると感電するなんてこともあります。
ケーブルの被覆の内部で断線している
これは見た目では分からない断線です。
ケーブルの見た目では普通に問題なさそうに見えるものの、被覆の内部で導線が切れてしまっているパターンがあります。これはよくケーブルが曲がる箇所で起こる可能性が高いです。
例えばケーブルキャリア(ケーブルベア)の中でよく屈曲する箇所などで発生します。
この場合テスターなどで調べるなどしっかり調査が必要です。
テスターでの診断方法
テスターで導通を測ることによって断線を調べることができます。
テスターの切り替えを、導通チェックに合わせて測定します。導通があれば、ブザーでお知らせしてくれるとともに0Ωと表示されます。
実際の測定方法としては赤のテスト棒と黒のテスト棒を断線が疑われるケーブルの両端に当てるだけです。
また導通チェックがない場合のテスターでも抵抗値を測ることで導通の測定が出来ます。
断線していれば電気が通らないので、OF.(オーバーフロー)や、テスターによっては∞(無限大)という表示になります。
断線していなければ、実際の抵抗値が表示されます。例えば0.0Ωなど。ケーブルが長くなると0.1Ωや0.2Ωになったりしますが、かなり小さな値であることがほとんどです。
テスターの使い方についてはこちらの記事もご確認ください↓
ケーブルが長い場合
ケーブルが長くてテスターのテスト棒が両端に届かないなんて場合も多々あります。
例えば、ケーブルがインシュロックでガチガチに固定されており、外して導通を測定するのがかなり面倒な場合など。
他にも単純にケーブルが長くて遠くに設置されている場合。工場の非常停止や遠隔スイッチ、または中継BOXまでなど遠くてケーブルの測定がしにくい場合などが考えられます。
そのような場合どのように測定すれば良いか対策を考えてみましょう。
テスターを延長
ケーブルを引き寄せられない状況で「あとちょっとだけ届かない!」なんて時は適当な端材ケーブルなどでテスターのテスト棒を延長することがあります。
テスト棒を延長するイメージですが、ニチフの差込形ピン端子のメスがテスト棒が差しやすくて個人的によく使っています。実際は延長出来ればなんでも大丈夫です。
延長したケーブルの先端は棒端子などを付けておくとより便利でしょう。ただしこちらもわざわざ付けなくても被覆を剥いただけでも問題ありません。
これで少しだけ届かない場合にテスターで測定出来る様になりました。
短絡させて診断
結構な距離の断線をチェックしないといけない場合にはテスターを少しだけ延長したところで届かないでしょう。
その際に活用出来る方法がケーブルを短絡させて測定する方法です。
例えば距離がある中継BOX間でのケーブルの断線が疑われる時、一方の端子台でケーブルを短絡して、他方にテスターを当てることで閉じたループを作り測定することが出来ます。
この方法を知っていると、どんなに長い距離も測定することが出来ます。
実際に修理する時などは短絡させるのも適当な線を繋ぐだけや、ワニ口クリップで挟むだけなど簡単な方法で大丈夫です。やりやすい方法を取るようにしましょう。
断線が気になる方は漏電のチェック方法も気になるのでは…?漏電についての記事も読んでみてください↓
まとめ
ケーブルの断線の診断方法を学ぶことが出来ましたね。しっかり理解していただいた方は少しアレンジした方法など様々な方法で断線チェックすることが出来ると思います。
ケーブルの検査の方法を最後にもう一度まとめておきます。
ここまで読んで下さった方はこれからはもっと早くラクに断線の点検が出来ますね。
それでは修理点検頑張りましょう!