こんにちは技術者けんです。今回はセンサーのライトオン・ダークオンについての記事です。工場などにたくさんあるセンサーの基本的な事項になるので知らないのはまずいです。ぜひ今回確認してみましょう。
センサーとは?
センサーは工場など様々な場所で用いられている電気機器で、人の身体で言うと目のような役割をしています。センサーが物の有無などを認識して次に機械が動いていけるという訳です。
センサー無しでは日本の、いや世界の製造業は成り立たないでしょう。
センサーにも多くの種類があり、物の有無を判別するものから、色によって反応するもの、透明なフィルムの有無で反応するものなどなど様々です。センサー類を販売しているメーカー各社のカタログを眺めるのも勉強になって楽しいのでオススメです。
ライトオン・ダークオンとは?
それではライトオン・ダークオンについて解説していきます。現在用いられている多くのセンサーではライトオンとダークオンの切り替えが可能です。
ライトオンとダークオンって何?って言うと出来るだけ簡単に説明すると、センサーが反応している時にONするか、センサーが反応していない時にONするかの違いです。
例えばセンサーが反応している間のみ出力を出す機械があるとして、ライトオンとダークオンを切り替える事でセンサーが反応している間のみ出力を出さないというような切り替えが可能です。
電気系の話で言うとリレーのa接点とb接点のようなイメージです。
リレーについて詳しくなりたい方はコチラへどうぞ↓
センサーの代表的な種類
基本的な主なセンサーとして3種類解説していきます。
透過型(投受光型)
透過型はセンサーが投光側と受光側に分かれています。投光側から出ている光を受光側が受け取る量で物の有無を判別します。
ライトオンの設定 | ワークがないときにONする |
ダークオンの設定 | ワークがある時にONする |
透過型は物がセンサーの光を遮るため感度の調整がしやすいメリットがありますが、投光側と受光側を設置・配線する必要があるため手間がかかります。
回帰反射型
回帰反射型のセンサーは反射板というセンサーの光を反射させる板を使用します。センサー自体が光を出し受け取るため透過型のセンサーが一体になったようなイメージです。
反射板によって返ってきた光の量によって物の有無を判別します。
ライトオンの設定 | ワークがない時にONする |
ダークオンの設定 | ワークがある時にONする |
ちなみに反射板を設置するのが面倒くさい場合に反射シール(テープ)もあります。ハサミで切って適当な大きさで使用できます。ただし反射率が下がるため感度の調整が少し難しくなります。
拡散反射型
拡散反射型のセンサーも投受光一体型のセンサーになりますが、反射板はありません。実際の物に反射した光をセンサーが受光することで物の有無を判別します。
ライトオンの設定 | ワークがある時にONする |
ダークオンの設定 | ワークがない時にONする |
拡散反射型は、透過型と回帰反射型と逆になりますね。
拡散反射型のセンサーは反射板を必要としないため設置が簡単というメリットがあります。しかしセンサーで反応したいワークによっては感度の調整が難しくなることがあります。
例えばセンサーから出ている光は赤色ですが、緑色のワークと相性が悪かったりします。そのような条件の時は別のセンサーを検討する必要がありそうです。
切り替え方法
ここまで解説してきたセンサーではライトオンとダークオンの切り替えが小さなボリュームで切り替え出来るようになっています。精密のマイナスドライバーで回して切り替える事が出来ます。
他には切り替えのボリュームが見当たらないセンサーもあります。そのようなセンサーでは配線が4本あり接続する組み合わせでライトオン・ダークオンを変えるタイプなどがあります。通常のセンサーが3本線で青茶黒が多いですが、白やピンクの線があったりします。
他のボリュームのないタイプのセンサーでは高性能でセンサーの小さなパネルとボタンで設定することが出来るタイプもあります。
ライトオン・ダークオンどちらを使う?
実は…どちらを使っても同じように機械の仕組みは実現出来ます。
では本当にどちらでも良いのか?というと微妙に違いがあります。詳しく次の章で解説します。
ライトオンとダークオンの設定の理由
ライトオン・ダークオンとa接点・b接点を組み合わせることでどちらでも同じ機能(ワークが来たら機械が動くなど)を実現出来ることが分かりました。ではライトオン・ダークオンどちらが良いのでしょうか?解説していきます。
まずここまでセンサーのことを話してきましたが、センサーを信用してはいけません。センサーには故障があります。
そこでセンサーが故障した時に勝手に機械が動き始めたりすることがないように考慮してライトオンとダークオンを決定必要があります。
例えばセンサーの故障で考えるとセンサー内部の劣化などの故障によりONしっ放しになる場合と、センサーのケーブルが引っかかり断線するなどONにならない状態の故障と2通りが考えられます。
センサーとワークが接触してしまう可能性がある箇所では本体の故障の確率が上がるかもしれません。ケーブルが長く環境が良くない場合などは断線など、ONしなくなる故障の可能性が高そうです。
センサーが故障した際に機械が勝手に動作する可能性が低くなるようにライトオンとダークオンを設定すると良いです。
まとめ
センサーのライトオンとダークオンが何か大体理解出来ましたでしょうか?大体理解出来ていればそれで十分です。実際にセンサーのライトオンとダークオンを切り替えてみて機械の動きなどを確認してみましょう!機械の設計をする人・修理する人と様々ですが基本事項ですので是非覚えて触ってみましょう。